Chewed gum is while thinking about the universe, or thinking about something else
Year: 2014
Material: Gum, resin
Dimensions: H5.5×W6.6×D5cm
口の中(口腔)で隕石を模刻した作品。日本語の宇宙〈Space〉という語には、森羅万象としての宇宙〈The Universe〉の概念も含まれています。後者の宇宙観は人体の内包する宇宙や、仏教の宇宙観など広範な領域に渡っており、宇宙の概念それ自体が”広大で”宇宙的な事象を表していることに気づかされます。
たとえば、ぼくたち自身が見ることのできない人体の内部宇宙について考えてみます。自身の内側に宇宙が拡がっている様を想像すると、その宇宙の端っこが口腔であるとも言えるのではないでしょうか。だとすれば、口腔内でものをつくることは、その表面に自身の内部宇宙を転写する行為であるとも言えるでしょう。
本作は、隕石の形態を写し取った模刻であり、自身の内部宇宙もまた転写されています。まるで隕石が宇宙空間を移動する過程で、様々な宇宙に触れてきたように。つまり本作には、複数の領域での宇宙の型が写し出されていると言えます。